渡辺研究室 大阪大学大学院情報科学研究科 情報ネットワーク学専攻 インテリジェントネットワーキング講座(工学部 電子情報工学科 情報通信工学科目)

2001年度 卒業研究論文

光WDM網における波長群スイッチング方式の構成法
高山 真司

近い将来の高度なマルチメディアサービスに対する情報基盤となるテラビット級の超高速, 大容量ネットワークを実現するためには, 光の高速性を最大限活用する全光型ネットワークが要求される. また, 通信トラヒックの急増による基幹系ネットワークでの伝送容量不足に対し, 波長分割多重通信システムの多波長化, 長距離化に向けた研究開発が活発化している. 将来的な光伝送システムとしては, WDMを用いた光ネットワークで光-電気変換なしに端末間を波長接続することが目標とされている.

WDM技術の適用においては, 実用可能な波長数が限られることが問題となり, ネットワーク内での波長の有効利用が重視される. そのため, 光WDMネットワークでは, パス設定と波長割り当ての技術が非常に重要となる.

一方, 将来の全光ネットワーク上の主要なアプリケーションとして, 映像伝送が挙げられる. 映像アプリケーションは, 継続時間が非常に長く高速性と厳格なQoSが要求されるため, 現状のインターネットでは品質保証に関する課題が山積みしている.

以上のような背景の下, 本研究では, 映像アプリケーションの収容に適した全光WDMネットワークのスイッチング方式を新たに確立する. 本論文では, 連続波長群プールに基づく波長コネクションの設定に重点を置き, スイッチングの簡素化および波長割り当ての高速化に注目したパス設計と波長割り当ての一方式として, 波長群スイッチング方式を提案する. さらに, 本論文では, 具体的な連続波長群設計手法を提案し, 各種ネットワークトポロジに対して, 波長変換を行わないという仮定の下で, 波長群スイッチング方式を適用した場合の必要波長数を定量的に明らかにし, 本提案方式の有効性と適用可能性に関する考察を行う. また, 波長変換を行うという仮定の下で, パスのホップ数を制約した場合に関しても同様に評価を行う.

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