近年,移動体端末の急速な普及に伴い,移動体端末からのインターネットアク セスが急増している.しかし,端末の位置環境や移動等により,伝搬路状態は 大きく変動し,伝送誤りが頻繁に発生することが知られている.通常,再送制 御を行うことで,伝送誤りに対する耐性を高めているが,バースト誤りが発生 した場合,再送制御においても繰り返し伝送誤りが発生すると考えられる.そ の結果,基地局全体のスループットが低下するという問題が生じる.また,各 端末に対する転送量は各コネクションの無線伝搬路の状態に依存しており,端 末間の転送量に格差が生じる.
そこで,本研究では,無線基地局全体のスループットと,無線伝搬路状態
本提案方式の有効性を,計算機シミュレーションを用いて評価した.その 結果,伝送誤りが生じやすい無線環境下において,フロー単位のバッファ管理 方式の必要性を確認した.また,本方式を用いることで,スループットの向上 と端末間の転送量の不公平性を改善する事が可能であることを実証した.