2002年度 卒業研究論文

今日，人々の生活の多様化に伴い，見たい映像放送を放送予定時間に見ることが 困難になりつつあり，今後は，インターネット上によるオンデマンド型映像配信 (Video on Demand:VoD)への需要が高まるものと予想される．しかし，インター ネットは基本的にBest-Effort型であり，帯域保証が無いため，映像配信を行う際 には，回線の輻輳時に生じるパケットロス，システム効率の悪化による通信品質 の低下の抑制が重要となる．

そこで本論文では，FECの最新技術であり，UDP/IPをベースとした信頼性の高い データ通信を可能とするメタコンテンツ(Meta-Content)技術を用いたコンテンツ 配信に注目する．このメタコンテンツ技術を用いてマルチキャスト配信を 行う際に，途中のネットワーク状況によって，同一マルチキャストグループ内の クライアント間に生じる受信データ量の不均質性を改善することを目的として， 転送支援サーバを用いた効率的な配信制御方式を提案する．本提案方式について計算機 シミュレーションの利用により，グループ内の全クライアントへのデータ 送信に要する時間について評価を行い，本提案方式の有効性を確認する．