2004年度 卒業研究論文

近年，情報端末の小型化，高性能化やネットワークの高速化，さらには無線通信技術の発展に伴い，情報ネットワークの 多様化が進んでいる．そのように多様化するネットワークの中でも，特に動的な制御や管理を必要とする場面においては， フラッディング制御と呼ばれる制御手法が用いられることがある．具体的には，アドホックネットワークのトポロジ把握や， モバイルエージェントによるコンテンツ情報検索などにおいて，フラッディング制御が利用される．

そこで，本論文では，このような問題を解決するために，複数のフラッディング要求が頻繁に発生し，ネットワークの負荷が増大した環境においても， 効率的なメッセージの伝搬を可能とする制御方式を提案する． 本方式では，メッセージの優先度制御を行い，重要度の高いメッセージを優先的に伝搬させる． これにより，より迅速にネットワーク内にメッセージを伝搬させることが可能となる． また，重複する情報を持つ複数の同種メッセージを集約し，冗長なメッセージを削減する． これにより，ネットワークの負荷を軽減することを可能とする． 以上の2つの制御規律によって，メッセージ数を抑制しながら，高速なフラッディング制御が実現する．