近年,情報通信技術の発展に伴い,大規模かつ複雑になりつつあるネットワーク上での 作業を効率よく遂行できる技術として,モバイルエージェントが注目されている.その中 で,エージェントが並列的に複数稼動するシステムをマルチエージェントシステムと呼ぶ. エージェントがユーザから指定された全てのノードで処理を完了することを目的とする 場合,その応答時間は全てのクローンエージェントが処理を完了するまでの時間になる. 本研究室では,そのような場合においてクローンエージェントの処理状況を考慮すること により,処理を遅れているクローンエージェントに着目した実行制御方式が提案されてい る.しかし,その実行制御方式は,CPU 処理能力や各エージェントのワークデマンドを 考慮していないため,これらが,不均質な環境においては正しく動作しない.
最後に,シミュレーションによる性能評価により,提案方式の公平性と応答時間の抑制 を確認した.