渡辺研究室 大阪大学大学院情報科学研究科 情報ネットワーク学専攻 インテリジェントネットワーキング講座(工学部 電子情報工学科 情報通信工学科目)

2010年度 卒業研究論文

バックボーンネットワークにおける
内部構造を考慮した故障箇所推定手法
原田 祐輔

近年のネットワークの高速・大容量化に伴い,バックボーンネットワークはより大規模に,またより複雑なものとなっている.また,近年のネットワークを利用するユーザ数の急速な拡大により,バックボーンネットワークに障害が発生した時には,ネットワークの障害検知から復旧までの作業を迅速に行うことが最優先課題となっている.

現状におけるバックボーンネットワークにおける故障箇所の特定には,ルータ内部での故障検出アラームによる他,テストパケットによる疎通確認が用いられる.パケットの疎通確認には,ネットワークトモグラフィなどの研究例があるが,実際にはその効率的な送信方法は管理者の経験に頼る部分が大きく,復旧までに要する時間が増大する要因のひとつになっている.また,ルータ故障時,内部構造の違いにより,テストパケットの応答にも違いが生じるが,現状では考慮されていない.

そこで本論文では,ルータの内部構造を考慮した故障箇所推定手法を提案する.シミュレーションによる性能評価を行い,この手法によってルータ内部の故障箇所を迅速に推定できることを明らかにした.

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