2012年度 卒業研究論文

近年WiMAXやWiFi，Cellularといった多様な無線通信方式が発展する一方，無線通信量が増加し周波数資源が逼迫しており，効率的な周波数の利用が求められている． そこで現在，他のシステムの周波数帯域を柔軟に二次利用するために， WiMAX/WiFi統合ネットワークにおける周波数共用が注目されている． これはWiMAXの周波数帯域の一部を複数のWiFi APに一時的に貸与することで，システム全体のスループットを向上させる技術である． WiMAX，WiFi事業者が周波数共用に協力的な場合，周波数共用が行われスループットが向上する一方，事業者が周波数共用に非協力的な場合，ユーザの行動を適切にモデル化し多数のパラメータを正確に推定する必要があり，実用的ではない．

そこで本論文では，WiMAX/WiFi統合ネットワークにおいてユーザの行動をモデル化せず，少ないパラメータによる簡便な制御を実現することで，非協力的な事業者が適切に周波数を共用する方法を提案する． 最後に，シミュレーションを用いて本提案方式の有効性を確認した．