近年,FTTH 等の高速アクセス回線が普及し,ネットワークサービスが多様化している一 方で,品質の安定化が課題となっている. そこで,分散配置された複数種類のコンポーネン トを利用してアプリケーションを提供するネットワークサービスが,全てのコンポーネン トを新たに用意する必要がないためサービスの設置コストが小さい,コンポーネント相互 の連携によってより高度なサービスを提供できるなどの利点から注目されている. そこで, 筆者らはユーザからのアクセス頻度の変動に応じてコンポーネントの配置を動的に変更す ることで負荷を分散し,安定したサービス品質を提供するプラットフォームを提案してい る. また,モバイル端末の高機能化と,WiMAX やLTE の普及により,無線通信における ネットワークサービスにも期待が高まっている.
そこで本研究では,多様な無線アクセスシステムに対応できるようこのプラットフォー ムを拡張する. さらに,ユーザ端末が複数のアクセス手段を有することが一般的になりつつ あることから,これらを利用して,有線通信部分を考慮した無線アクセス選択手法と,サー ビス提供中における無線アクセスの切替を行うオフロードによる負荷分散を統合した異種 無線アクセス制御手法を提案する.
最後に,計算機シミュレーションによる性能評価を行い,提案手法の有効性を示す.