2014年度 卒業研究論文

近年，デバイス同士が自動的に通信，制御を行うM2M ネットワークが注目されている． 中でも，複数のサービスが共通のプラットフォームを用いてサービスを行う水平統合型の M2M が関心を集めている．

多くのM2Mに用いられるプロトコルでは，送信元デバイスでの再送制御，輻輳制御を行 わないため，パケットの到達率がQoS(Quality of Service) の指標の一つとなる．M2M 共通 プラットフォームでは複数のサービスが存在するため，この要求パケット到達率がサービ ス毎に異なることが考えられる．また，サービスによってパケットの発生タイミングが異 なることで輻輳が発生することが考えられ，このときサービス毎の要求パケット到達率を 考慮したバッファ制御が必要となる．さらに，性能の低いM2Mデバイスにおいて実現可能 な制御手法でなければならない．しかし，サービスの要求パケット到達率を考慮し，さら にM2M デバイスの性能を考慮したバッファ制御手法に関する研究は行われていない． そこで本研究では，輻輳の際に優先度に応じてパケットの破棄を行い，破棄したフロー

をその後一定期間優先を動的に高く更新して転送することでサービスの要求パケット到達 率を考慮したバッファ制御手法を提案する．さらに，計算機シミュレータを用いて性能評 価を行い，提案手法の有効性を示す．