2014年度 卒業研究論文
制限時間付き大容量ファイル転送におけるネットワーク省電力化のための経路選択と帯域制御
柴田 修作
近年WiMAX，WiFi，Cellular といった多様な無線通信システムが発展し，接続端末が増 加する一方で，周波数資源の逼迫が課題となり限られた周波数帯域を有効活用することが 必要となっている．そこで現在，あるシステムの周波数帯域の一部を複数の他のシステム に一時的に貸与することで，システム全体のスループットを向上させる周波数共用技術が 提案されている．
一方，データを送信する基地局から遠いユーザはセル間の干渉や電波の減衰により十分な スループットが得られないため，場所によってユーザの得られるスループットが不公平になる． そこで，基地局間協調送受信技術(CoMP：CoordinatedMultiple Point transmission/reception） が研究されている．
本稿では，ユーザが得られるスループットの場所による不公平性を低減するために周波 数共用技術とCoMP に注目し，無線統合ネットワークおいて，CoMP を考慮した周波数共 用によるセル端のスループット向上手法を提案する．具体的には，PS の使用できる周波数 帯の一部をセル端に割り当てる，もしくは周波数共用に用いることでセル端のスループッ トを向上する．このときセル端に同周波数を割り当てることが出来る場合は，その周波数 帯を割り当ててPS 間でCoMP を行う．
最後に，計算機シミュレーションを用いて本提案方式の有効性を確認した．
PDFファイル(研究室内からのみアクセス可能)
