渡辺研究室 大阪大学大学院情報科学研究科 情報ネットワーク学専攻 インテリジェントネットワーキング講座(工学部 電子情報工学科 情報通信工学科目)

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2002年度 修士学位論文

コンテンツ配信サービスの負荷分散を考慮したサーバ選択方式に関する研究
神原 正義

コンテンツ配信サービスにおいて, ネットワーク上の複数のサーバに同一コンテンツを 配置し,クライアントからのアクセスを これらに振り分けることにより, 人気のあるコンテンツを保持するサーバやその近辺の ネットワークに集中する負荷を分散する ネットワークアーキテクチャが注目されている. このようなネットワークにおいては, コンテンツ配信要求時にクライアントに対して 最適なサーバを選択することが求められる.

このとき,より多くのクライアントにサービスを 提供するためには,各サーバに配置する コンテンツ数や各コンテンツに対する 要求確率などによって 変化するネットワーク負荷とサーバ負荷を 動的に分散し,呼損を抑えるように サーバを選択することが重要となる. そこで本研究では,このような負荷状況の変化に 柔軟に対応できるサーバ選択方式を提案する.

提案方式では,まずトポロジや サーバ数などの情報からネットワークと サーバに加わる負荷を計算し,これを 分散可能とするサーバ集合を各クライアント, コンテンツごとにあらかじめ求めておく. 配信要求時には, 統計的に得た呼損数によってどちらの資源を より重視すべきかを判断する. これは,ネットワーク資源とサーバ資源のうち, 一方の資源が利用できないことが原因で起こる 呼損の数が他方よりも大きい場合に, 全体の呼損を抑えるために その資源を有効に利用することを目的としている. そして,あらかじめ求めたサーバ集合を用いて その資源を有効に利用できるサーバを 選択対象として限定し,このうちもう一方の資源を 最も有効に利用できるサーバを選択する.

最後に,シミュレーションにより,利用できる ネットワーク資源とサーバ資源が変化する 場合にも,提案方式が動的に対応し, 呼損を抑えられることを確認する.

PDFファイル(研究室内からのみアクセス可能)
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