渡辺研究室 大阪大学大学院情報科学研究科 情報ネットワーク学専攻 インテリジェントネットワーキング講座(工学部 電子情報工学科 情報通信工学科目)

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2002年度 修士学位論文

GMPLSにおける信頼度に基づく動的な経路設定法に関する研究
竹原 崇成

近年Internetユーザは急増しており,利用するアプリケーションも多様化し ている.このためIP網における通信の大容量化,高速化,QoSの保証が求め られている.これらの要求を満たす技術としてラベルスイッチング技術が注 目されている.その一つであるMPLS(Multiprotocol Label Switching)はエッ ジルータ間の経路に対し,独自のコネクションであるLSP(Label Switched Path)に対応するラベルを用いて,ハードウェア的な高速スイッチングを行 う技術である.さらにGMPLS(Generalized MPLS)によって複数レイヤにおけ るラベルスイッチングの統合が可能となった.一方,こうした次世代通信網 では,多様な通信サービスが広域に,かつ 効率よく収容されるため,LSP上 の網障害が及ぼす影響がより深刻な問題となる.これに対して既存の障害回 復法であるProtection/Restorationはトラヒックデマンドが予測不能な場合 に適用が困難となる.

そこで,本研究ではGMPLS網における信頼度に基づいたAlternateパスを用い るDynamic Routing方式を提案する.提案方式の前提として Diff-Serv(Differentiated Service)におけるサービスクラスを仮定し,障 害発生時には,同一サービスクラスに属するフローの束であるトランクを処 理単位としてLSPの空き帯域を用いて迂回する.本方式では,同一エッジルー タ間に設定した排反な経路に沿った複数のLSPに対し,入口エッジルータは 信頼度を考慮したLSP割当てを行うことで,迂回路の空き帯域を負荷状況に 応じて適応的に形成する.障害発生時には予め決定した迂回先LSPへ,障害 トランクを高優先クラスから順に迂回する.

本提案方式の有効性を,計算機シミュレーションにより様々なネットワーク 状況を想定して復旧率の点から評価した.その結果,本提案方式が高い復旧 率を示すことを確認した.これにより本提案方式が高い信頼性を提供する ことが実証された.

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