渡辺研究室 大阪大学大学院情報科学研究科 情報ネットワーク学専攻 インテリジェントネットワーキング講座(工学部 電子情報工学科 情報通信工学科目)

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2004年度 修士学位論文

コネクション型Qos制御機構の設計・試作および実験的評価
島原 広季

近年,インターネットの需要増加に伴い,ネットワークの高速化,トラヒッ クのマルチメディア化が進んでいる.特に将来,リアルタイム性をもつスト リーム型トラヒックが急増が予想されるため,フロー毎の QoS 制御機能を もつ高性能ルータの実現が望まれる.本研究室では,フロー管理による出力 バッファ制御機構を提案している.また,本制御機構を高速動作させるため に,ハードウェア設計を行っており,現在,基本設計として機能縮小した機 構の実装が完了している.これに対し本研究では,制御機構の拡張を行い, より高度なQoS保証の実現を目指す.また,試作スイッチ機器への本制御機 構の実装を行い,実ネットワークを想定した環境下で実験的に評価すること により,本制御機構の有効性を示す.

制御機構の拡張では,固定帯域割り当てを可能とするスケジューリング機構 の導入,可変長パケットに対応可能となるブロック管理方式の提案,バッファ を複数ポートで共有する環境を実現するためのポート管理パラメータの規定 を行う.拡張実装を行った制御機構に対し論理合成を行った結果,0.18 $\mu$m CMOS技術を用いて,64byteのパケット連続送信時に約3.64Gbpsのス ループットを達成可能であることを確認した.また,ハードウェアの動作仕 様,設計仕様の詳細規定を行い,本制御機構を搭載したASIC,FPGAチップの 試作を行う.ASICチップに対しては導通検証を行った.FPGAチップに対して は,より実ネットワークに近い環境下での詳細な検証を行うために,FPGAチッ プを搭載したスイッチ機器(QoSCスイッチ)の試作を行う.本QoSCスイッチ は,制御機構をFPGAで実現し,各種の測定機器と接続して動作し,統計情報 の収集が可能となっている.このスイッチを用いて,様々なネットワーク状 況を想定した基本動作検証,および実映像を用いた実験的評価を行った.そ の結果,本制御機構を用いることにより帯域保証が可能となることが実証さ れた.

PDFファイル(研究室内からのみアクセス可能)
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