渡辺研究室 大阪大学大学院情報科学研究科 情報ネットワーク学専攻 インテリジェントネットワーキング講座(工学部 電子情報工学科 情報通信工学科目)

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2007年度 修士学位論文

光波長群パス交換網と光パケット交換網のハイブリッドネットワークアーキテクチャ
森田真之

ネットワークトラヒックの急激な増加に伴い,高速大容量な光WDMネットワークへの 期待が高まっている.光WDMネットワークのスイッチング方式として,帯域保証を行 う光回線交換や,ベストエフォートサービスを提供する光パケット交換などが研究されて いるが,将来の多種多様なアプリケーションに対応するには,帯域保証とベストエフォー トの両方のサービスが必要である.

異なるスイッチング方式を組み合わせたハイブリッドネットワークアーキテクチャとし て,GMPLS を用いた波長パス交換とパケット交換の階層型ネットワークがある.このよ うな階層構造のネットワークでは,波長のスケーラビリティを高めるため波長パスをさら に波長群単位で集約することが一般的である.しかしながら複数の波長パスを波長群に束 ねると,どうしてもグループ化できない余剰波長が存在する.波長群網の分野では,効率 的にグループ化する様々な手法が提案されているが,未使用波長が残ってしまうことは本 質的に避けられない.従って,波長群網内で最適化を行うだけではなく,ネットワーク全 体の構造の観点から資源を有効活用することが必要である.

このような背景から,本論文では,帯域保証を行う波長群網とベストエフォートサービ スを提供するパケット網を組み合わせた新たなハイブリッドネットワークアーキテクチャ を提案する.本アーキテクチャでは波長群グループ化後の余剰波長を,パケット交換網の バイパスとして利用することにより,ベストエフォートトラヒックのロス率やスループッ トが改善される.計算機シミュレーションを用いて提案アーキテクチャの有効性を示す.

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