渡辺研究室 大阪大学大学院情報科学研究科 情報ネットワーク学専攻 インテリジェントネットワーキング講座(工学部 電子情報工学科 情報通信工学科目)

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2008年度 修士学位論文

分散コンポーネントを基盤とした効率的かつ耐障害性の高いネットワークサービスプラットフォーム
宮崎 渉

近年,遠隔ノード上で稼働する分散コンポーネントを組み合わせることにより,高度なサービスを低コストで提供できるネットワークサービスへの期待が高まっている. このネットワークサービスでは同一機能を持つコンポーネントをネットワーク中に複数配置することで一つのコンポーネントにかかる負荷を分散することができ,またコンポーネントに障害が発生した場合でも同一機能のコンポーネントを代わりに用いることでサービスの再開が可能となる.

本論文ではこのような分散コンポーネントで構成されたネットワークサービスのためのプラットフォームを提案する. このプラットフォームの実現のためには,初期コンポーネントの配置と通常サービス提供時の負荷分散,障害からの復旧という機能が必要である. そこで,本論文では,まだ提案されていなかった初期コンポーネントの配置と通常サービス提供時の負荷分散を提案している. 初期コンポーネントの配置では提案プラットフォームが稼働するために必要な数のコンポーネントをネットワーク中に分散して配置し,同種のコンポーネント間でオーバレイネットワークを構築する. そして,通常サービス提供時の負荷分散ではオーバレイネットワーク上で収集された情報を利用して各コンポーネントが自律的に複製コンポーネントの追加や削除を行うことで同一機能コンポーネント数を調整し,現在の負荷状況に合わせたコンポーネント数になるようにしている. また,高性能ノード上に低性能ノードよりも多くのコンポーネントを配置することで,処理能力の低いコンポーネントができないようにし,提供サービスの高速化を図っている.

本論文では,シミュレーションによる性能評価により,効率的かつ耐障害性の高いネットワークサービスプラットフォームを実現できることを明らかにする.

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