渡辺研究室 大阪大学大学院情報科学研究科 情報ネットワーク学専攻 インテリジェントネットワーキング講座(工学部 電子情報工学科 情報通信工学科目)

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2008年度 修士学位論文

複数のオーバレイネットワークにおける残余通信時間を考慮した協調ルーチング
山本 裕

近年,通学路や公園など日常の生活空間における犯罪の増加や個人でのセキュリティ意 識の高まりなどにより,ネットワークカメラと無線マルチホップ網を用いた監視システム が注目されている.この監視システムは既存のインフラに依存せず,簡便にシステムを構 築することができる一方で,有線網に比べて,通信品質が安定しないという問題がある. 一方,監視システムの役割として,人物の通過など特定の状況変化を発見し,ユーザに通 知することが挙げられるが,多数の映像からこうした状況変化を確認することは困難で あり,期待された効果が十分に得られない場合が多くなっている.そのため,監視上重要 な場面を各ネットワークカメラから検出する研究への期待が高まってきている.このよう に,輻輳や電波干渉などの影響による映像品質の低下を考慮しつつ,広範囲に多数配置さ れたネットワークカメラから効率的に映像を収集することが重要である.

そこで,本稿では,映像の優先度と伝送経路の排反性を考慮したカメラ選択スケジュー リングを提案する.提案方式では,重要度に応じた優先度を各ネットワークカメラに設定 した上で,互いに伝送経路が重複しないネットワークカメラを選択する.これにより,重 要度が高いネットワークカメラの映像を選択するとともに,選択した映像の品質低下を回 避することができる.

最後に,シミュレーションによる評価を行い,本研究の有効性を明らかにする.

PDFファイル(研究室内からのみアクセス可能)
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