ここ数年でコンテンツ配信サービスはインターネットにおいて最も人気のあるサービスのひとつとなった。しかし、その配信コストの高さからそれらのサービスは十分な収益を上げることができずにいる。また、視聴者は無料の低画質サービスか高額な高画質サービスのいずれかを選択する必要に迫られている。
この問題に対して、既存の代表的なコンテンツ配信技術であるクライアント・サーバ(C/S)型技術とピア・ツー・ピア(P2P)型技術を組み合わせることでコストの低減を実現する提案が多くなされている。しかし、それらの研究はコンテンツ配信ビジネスにおけるインターネット接続サービス事業者とコンテンツ配信事業者の利害関係を考慮していないため実用化が難しい。
そこで本研究ではビジネスモデル、コンテンツ配信モデル、コンテンツ配信技術にわたる提案を行う。これによりコンテンツ配信コストの低減とそれに必要な事業者間の利害調整、そしてコンテンツ配信性能の向上を実現する。
最後に計算機シミュレーションによる性能評価でその性能を明らかにする。