渡辺研究室 大阪大学大学院情報科学研究科 情報ネットワーク学専攻 インテリジェントネットワーキング講座(工学部 電子情報工学科 情報通信工学科目)

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2011年度 修士学位論文

重畳された無線センサネットワーク間における協調による負荷分散のためのルーチング手法
永田 純子

近年,無線センサネットワーク(WSN) のアプリケーションが増加している.WSN で は,シンク周辺の転送負荷増大によるシンク周辺ノードが早くに枯渇するという問題が存 在するため,クラスタリングなどの負荷分散手法が提案されている.

また,WSNの利用増加に伴い,複数のWSNが地理的に重なって構築されるケースが増 加している. このような環境では重畳されたネットワーク間での協調を行うことが期待さ れ,リソースの共有化に着目して共通プラットフォーム上にサービス要求に応じたWSN を構築することなどが提案されている.

一方,別の観点から,独立して動作するWSNを協調させることも考えられる.各WSN は各管理者によって構築されるため,データの集約場所はWSNによって様々であり,負 荷集中場所も異なる結果となることから重畳されたWSN間での協調による負荷分散に注 目する.

そこで本稿では,負荷を他WSNへ分散させることでその平滑化を行うための協調ルー チング手法を提案する.あるWSNのシンク周辺に存在するノードが重畳された他のWSN のシンクから離れて存在している場合,他WSNノードからのパケット転送を担うことで 各シンク周辺ノードの寿命を延長することが可能となる.

最後にシミュレーションによる本方式の性能を評価した結果,本方式の適用によるWSN 間の協調が有効であることを確認した.

PDFファイル(研究室内からのみアクセス可能)
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