渡辺研究室 大阪大学大学院情報科学研究科 情報ネットワーク学専攻 インテリジェントネットワーキング講座(工学部 電子情報工学科 情報通信工学科目)

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2011年度 修士学位論文

P2P 型超高精細マルチアングル動画配信方式に関する研究
高橋 和也

将来,超高精細な動画配信サービスが普及すると考えられる.現在のインターネットにお いても既に,動画像データの占める割合は大きくなってきており,超高精細な動画をベス トエフォート型であるインターネットのみで配信することは輻輳などの問題から困難であ る.一方で,中継器での光/電気/光変換を必要としない全光ネットワークに関する研究が 活発に行われており,特に,将来的にリアルタイム通信に適した帯域保証型ネットワーク が広く普及すると期待されている.他方で,3D 映像サービスや一つのコンテンツに対し て複数の視点からの映像を提供するマルチアングル動画配信サービスなど,様々なサービ スが登場してきている.既存の動画配信方式でマルチアングル動画配信サービスを実現し ようとすると,アングル切替に時間がかかるという問題がある.アングル切替時,動画を 視聴することができないため,頻繁に切替が行われるマルチアングル動画配信サービスで は動画切替時間は深刻な問題である.

以上のような背景の下,本研究ではP2P 型超高精細マルチアングル動画配信方式を提 案する.この方式では,限られた帯域を考慮した上で,全アングルの動画を一緒にメイン アングルとサブアングルに分類した上で送信することで高速なアングル切替を実現する. 特に,サブアングルは低画質で送信することでトラフィックを削減する.本論文ではベス トエフォート型ネットワークと帯域保証型ネットワーク単体での超高精細動画配信の可能 性について検討を行うとともに,これらのネットワーク双方を連携した二種類の配信方式 を提案する.これら二つの方式は配信方法が異なり,対照的な特徴を有する.

提案方式の性能評価により,提案方式がアングル切替時も継続した動画視聴を実現でき ていることを確認した.また,一方の方式では保証された画質,もう一方の方式では高速 なアングル切替をそれぞれ実現できることを確認した.

PDFファイル(研究室内からのみアクセス可能)
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