渡辺研究室 大阪大学大学院情報科学研究科 情報ネットワーク学専攻 インテリジェントネットワーキング講座(工学部 電子情報工学科 情報通信工学科目)

english

2013年度 修士学位論文

制限時間付きファイル転送におけるユーザ効用最大化を目的とした帯域割り当て方式
勝元 健

近年,ネットワークの高速・巨大化に伴い,大容量ファイルの転送要求が増加しているが,これらは一般的にベストエフォートで処理されるため,転送完了時間を保証することも予測することも困難であるという問題がある. この問題に対して,ユーザがダウンロードに制限時間を定め,その制限時間までに転送を完了させ,それが不可能な要求は棄却するモデルが考えられている. このモデルでは,わずかでも制限時間を満たすことができなければ要求は棄却されるが,実際は多少の制限時間超過は許される場合も多い. そこで本研究では,制限時間付きのファイル転送において,ユーザ効用が転送時間によって変化するモデルを考える. このモデルでは,制限時間を満たせない要求を必ず棄却するのではなく,ユーザ効用の総和が増加するなら受理する. 本稿では,転送時間に対するユーザの効用を表す効用関数を仮定し,ネットワーク全体でのユーザ効用の総和を最大化する帯域割り当て方式を提案する. 最後に計算機シミュレーションによる性能評価により,提案方式の有効性を確認した.

PDFファイル(研究室内からのみアクセス可能)
pagetop