渡辺研究室 大阪大学大学院情報科学研究科 情報ネットワーク学専攻 インテリジェントネットワーキング講座(工学部 電子情報工学科 情報通信工学科目)

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2014年度 修士学位論文

重畳された不均質なWSNにおける公平性を考慮した協調ルーチング
井上 夏樹

近年,無線センサネットワーク(WSN) のアプリケーションが増加している. WSN ではセ ンサノードを交換したりバッテリを充電することが難しいため、ネットワーク寿命の延長 が重要な課題の一つである.

一般的に,シンク周辺の転送負荷増大により,シンク周辺ノードは他のノードに比べ電 力が早く枯渇するとされ,この問題を解決するために,クラスタリングのような負荷分散 方式が多数提案されている.

また,WSN の利用増加に伴い,複数のWSN が地理的に重なって構築されるケースが 増加している. このような環境では,重畳されたWSN 間で協調フォワーディングを行っ て互いの寿命を延長させることが期待される.

しかし,複数WSN 間協調に関する研究の多くは,WSN の不均質性を考慮しておらず, 不均質な環境下では公平な協調が出来ない可能性がある.

そこで本稿では,重畳された不均質なWSN における公平性を考慮した協調ルーチング 方式を提案する. 異なる周波数帯で通信を行うWSN 間の中継ノードとして,マルチチャ ネル通信機能を具備した共有ノードを導入する. 共有ノードがパケットを受信した際,送 信元と異なるWSN を経由してパケットをシンクまで転送できる. 共有ノードは公平な寿 命の延長を達成できるような経路選択を行う.

最後にシミュレーションによる本方式の性能を評価した結果,本方式による公平な協調 を確認した.

PDFファイル(研究室内からのみアクセス可能)
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