研究テーマ
アドホックルーチングプロトコルの基礎検討
近年の携帯電話の普及には目覚しいものがある.このような普及の背景の一つに,携帯電話は単な電話ではなく,i-modeやメールなどに代表されるデータ通信が可能な携帯端末として利用されていることが挙げられる.また,今後携帯電話は,近距離通信(Bluetooth,無線LAN等)を備えた複合通信端末になると予想される.このような背景により,他の利用者の携帯端末を中継ノードとして利用し,基地局を介すことなく相互に通信を行うアドホックネットワークが注目されている.
- モバイル端末だけで,いつでもどこでもネットワークが構成できる.
- モバイル端末は予期なくネットワークに加入したり離脱したりする.
- モバイル端末は他のモバイル端末のパケットを中継する.
- モバイル端末は自律的に移動するためネットワークトポロジが頻繁に変化する.
このような特徴のために,アドホックネットワークでは特定の制御局を仮定するのではなくそれぞれのモバイル端末が自律分散的に制御を行う必要がある.
アドホックルーチングプロトコルには以下の課題を考慮する必要がある.
- 経路の発見方法
- 経路切断時の迅速な経路再構築方法
- 無線帯域の有効利用
- モバイル端末の電力消費量
現在渡辺研究室では,GPSなどによる位置情報を利用したアドホックルーチングプロトコルや,経路切断時の迅速な経路再構築を行うために複数ルートを持つアドホックルーチングプロトコルなどの研究を行っている.