渡辺研究室 静岡大学情報学部情報科学科

学内向け
分散システム、コンピュータネットワークの基礎技術を研究

研究テーマ

アンテナビームの適応制御

 スマートアンテナは所望の方向に対してビームを向けることができるため,通信干渉を防ぎ無線チャネルの空間利用効率を向上させる.さらに,指向性を鋭くすることで通信距離を拡張するため,マルチホップ通信におけるホップ数の削減が可能となる.しかし,端末が移動する環境では,通信範囲を狭めるスマートアンテナを利用することで,通信範囲から受信端末が外れる Out of range 問題が増加しスループット低下を導く.また,inter-flow 干渉による同時通信数の減少や,intra-flow 干渉による指向性隠れ端末問題やデフネス問題もスループット低下を引き起こす.従って,スマートアンテナのポテンシャルを活かす MAC プロトコル設計には指向性制御が大きな課題となる.
 我々は,端末が移動する環境においてもスマートアンテナを有効的に適用するため,新たなアドホックネットワーク MAC プロトコル DMAC/BA (Directional MAC with Beam-width Adaptation) を提案している.DMAC/BA は従来方式に比べ,端末の移動に対するビーム幅の制御を行うことで,変化する環境において高いスループットを維持することが確認されている.