渡辺研究室 静岡大学情報学部情報科学科

学内向け
分散システム、コンピュータネットワークの基礎技術を研究

研究テーマ

センサネットワークの概略

 近年、無線通信と電子工学の発達により、低コスト、省電力、多機能のセンサノードの開発が可能となったため、センサネットワークの発展が見込まれている。
 センサネットワークとはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等の各種超小型センサおよびデータ処理機能、無線通信機能を搭載しているセンサノードから検知した情報をネットワーク経由で収集するシステムのことである。無線通信を使用するため、センサノードはどこでも自由に配置することができ、敷設コストが安くすむ。また、リアルタイムでの情報収集が可能である。そのため、以下のようにさまざまなアプリケーションが考えられる。


  • 災害救助
    災害地域のモニタリング、避難経路の探索など
  • 防災
    建築物の振動の計測、耐久度や老朽度の計測など
  • 商業
    製品品質のモニタリング
  • 健康
    障害のある患者のモニタリングやサポート、遠隔地からの健康管理など
  • 軍事
    監視、偵察、ターゲッティングシステムなど

 センサネットワークの特徴を以下にあげる。


  • 電力、リソース(処理能力、メモリ)が制限される。
  • 密集して配置される。
  • よく機能が停止したり、故障したりする。

 センサネットワークのアプリケーションは無線アドホックネットワークの技術を必要とする。そこで、無線アドホックネットワーク用に提案されているMACプロトコルとルーティングプロトコルの使用を考える。無線アドホックネットワークにおけるMACプロトコルに関する研究ではQoSや帯域幅効率を重点的に検討されている。また、アドホックネットワークルーティングプロトコルに関しても信頼性や負荷分散を目的とした研究が多い。上記のような特徴からセンサネットワークではセンサノードのリソースが極めて限定されるため、電力消費等に関する考察が必要である。そのため、従来の無線アドホックネットワークの技術を利用することはできない。そのため、本研究ではセンサネットワーク用のプロトコルを検討する。