スマートアンテナを用いたMACプロトコル

　無線機器の普及とともに固定インフラを必要とせず端末だけで構築するアドホックネットワークの通信形態が注目されている．特に近年の情報通信メディアの多様化により，取り扱うデータは増加傾向にあり，アドホックネットワークにおいてもその性能改善は重要な技術課題である．
　我々は，スマートアンテナを利用した空間分割多重効果に注目し，データリンク層の性能改善を目的とした，新たなアドホックネットワークMACプロトコル「SWAMP」(Smart antennas based Wider-range Access MAC Protocol)を提案している． SWAMPは従来方式に比べ，空間再利用，通信領域の点で優位な特徴を持ち，非常に高いスループットの改善が確認されている．現在更なるアドホックネットワークへの適用に向け研究を進めている．