渡辺研究室 大阪大学大学院情報科学研究科 情報ネットワーク学専攻 インテリジェントネットワーキング講座(工学部 電子情報工学科 情報通信工学科目)

2001年度 卒業研究論文

バースト型映像配信方式の配信スケジューリング法
謝 正宇

今日,ADSL,ケーブルTV,さらには光通信など高速データ伝送技術 が急速に普及し,ブロードバンドインターネットは人々の日常生活の中に 浸透してきた.また,個人の生活パターンの多様化に伴い,各自が希望する番組 をネットワークを通じて視聴したいという要求に応じるため,VoD(Video on Demand)技術への需要が高まりつつある.

既存のビデオオンデマンドとして種々の方式が実現されているが,帯域の浪費 など,ネットワーク資源の制約条件,またシステム効率の低さにより,現時点では一般 的に広く普及するサービスには至っていない. 本研究室では従来のシステム効率を改善すべく,超高速ネットワークの利用 を前提として,マルチキャストによって同一番組に対する複数ユーザからのリ クエストを効率的に集約しつつ,ある時間間隔毎に映像情報のバースト伝送を行 うBurst VoD方式を提案している.従来のVoD方式では番組サービス時間全般に わたって連続的に番組配信を行っていた.これに対し,本配信方式では,番組情報 を一定時間毎にファイルに分割し,これらを割り当てられたタイムスロット時 間内で周期的に一括伝送する.

しかしBurst VoD方式では,同じ番組に対するリクエストが異なる 周期で要求された場合,複数の周期で同じ映像情報ブロックの送信を繰り返すこと になり,帯域の利用効率の面で改善の余地が残されている。

本研究では,従来Burst VoD配信システムに対し,異な る周期でのリクエストも単一のマルチキャストグループに編入する スケジューリングアルゴリズムを 確立することにより, ユーザ収容効率のさらなる向上を目指す.

さらに本論文では,提供番組数,運用システムの規模などの異なる様々 な条件下で本提案方式の呼損率,待ち時間,およびマルチキャストのマージ率 を従来Burst VoDシステ ムと比較することにより有効性を明らかにするとともに,編入可能周期を変え た改良方式に対する性能改善効果も明らかにする.

PDFファイル(研究室内からのみアクセス可能)
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