2006年度 卒業研究論文

近年，ユビキタス社会実現のためのプラットフォームとして，無線マルチホップ網への 期待が高まっている．一方，映像や音声を用いるアプリケーションの利用が増え，通信量 の増大化につながっている．このような背景の下，無線マルチホップ網の性能向上が 要求されている．

無線の最も基本的なチャネルアクセス方式は，CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)

そこで本研究では，このTXOPLimitを動的に変動させることにより，ネットワーク状況の変化に リアルタイムで対応するMACプロトコルを提案する．具体的には，各端末における残余データ量を 用いて一回のデータ送信量を適切な値に調節することにより，輻輳状態を回避し効率的な通信を 行う手法を提案する．また同様に，既存方式であるBlockACK方式を拡張することで， 連続送信フレーム数を動的に変動させる MACプロトコルの提案も行う．

計算機シミュレーションにより，スループットの面から本提案方式と，TXOP方式，DCF方式において