渡辺研究室 大阪大学大学院情報科学研究科 情報ネットワーク学専攻 インテリジェントネットワーキング講座(工学部 電子情報工学科 情報通信工学科目)

2008年度 卒業研究論文

高密度な無線センサネットワークに適したクラスタツリー構築法
永田 純子

近年、新世代ネットワーク実現のためのプラットフォームとして、無線センサネットワー クへの期待が高まっている。今後無線センサネットワークはさらに広域化かつ高密度化す ることが予想される。一方,無線センサネットワークでは標準化されたプロトコルが存在 せず,相互接続性に欠けるという問題点が存在する.そこで無線センサネットワークに準 拠した形で標準化されたIEEE802.15.4/ZigBee が注目を集めている.ZigBee がサポートし ているトポロジの1 つであるクラスタツリートポロジはネットワークを階層化し,さらに ネットワーク管理をクラスタ毎に分割することで管理を容易にしている.このようなトポ ロジにより大規模ネットワークの構築を可能にしている.

しかし、大規模ネットワーク構築の際の問題点として,大量にセンサ端末が存在するこ とで、バッテリ交換や充電が困難になることが挙げられる.また,ネットワークが高密度 化するにつれてノード同士でのパケットの衝突が頻繁に発生し,データ収集効率の低下が 考えられる.このような課題を解決するための基盤の構築が必要になると考えられる.

本研究では、ノードが高密度に存在する環境下で生じる問題点に注目し,ノードの密度 を擬似的に削減することを考えることで衝突頻度を抑制する手法を提案する.本提案では クラスタツリートポロジを使用し,クラスタ内に2 チャネルの使用を認めることで2 チャ ネル系統のツリーの構築を実現する.ノードを2 チャネルに分散させることで近隣におけ る衝突を抑制することが可能となり,データ収集効率の向上が期待できる.

計算機シミュレーションを用いて,本提案をデータ収集効率の観点から既存のクラスタ ツリー構築法と比較することにより,本提案システムの有効性を評価する.

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