IoT / M2Mネットワーキング

研究背景

 IoT(Internet of Things)/M2M(Machine-to-Machine)システムとは、各種の機械に設置されたセンサーなどのデバイスから種々の情報を取得して、人々の生活に役立てようとするシステムの総称である。デバイス同士あるいはデバイスとコンピュータがネットワークを通して情報通信を行う。
 IoT/M2Mシステムを支える情報通信ネットワーキングでは、遅延、呼損率などの種々のサービス品質(Quality)が重要である。デバイスは小型・安価なものが用いられるため簡便でかつ高い効果を持つ制御が望ましい。一般には、デバイスからの情報は、温度、湿度、加速度などの小ビットデータが想定されるが、近年、ハードウエア技術、ソフトウエア技術が進展したことにより、小型安価なカメラによる動画映像もその対象になりつつある。これらの特徴を勘案した情報通信ネットワーク制御方式の開発が重要視されている。

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研究内容

 IoT/M2Mシステムの中で、複数のサービスが共通のプラットフォームを利用する水平統合型M2Mが関心を集めている(図1)。水平統合型M2Mでは複数のサービスが通信ネットワーク資源を共有するため、サービス毎に適切なQoS(Quality of Service)を提供することが必要となる(図2)。また、安価なデバイスが利用されるM2Mでは、低コストかつ低消費電力を目的とした通信プロトコルを用いるため、送信先のデバイスにおいて複雑な輻輳/再送制御を行わない。さらに、データサイズが非常に小さいという特性を持つため、宛先デバイスへのパケットの到達率が重要なQoSの指標の一つとなる。
 本研究では、輻輳が発生してパケットを破棄する際にそのパケットのフロー情報をデバイス内で一時的に記憶し、その後一定期間同一フローに属するパケットの優先度を動的に高く更新して転送することで、低性能なデバイスにも容易に適用できる機能を用いてサービスのパケット到達率を向上させる手法を検討している(図3)。

QoSを考慮したM2M
図1 QoSを考慮したM2M
IoT/M2MシステムにおけるQoS
図2 IoT/M2MシステムにおけるQoS
IoT/M2Mにおける多様なサービス
図3 IoT/M2Mにおける多様なサービス
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